バチカン市国・システィーナ礼拝堂観光ツアーの順路はピーニャの中庭から
初日の午前【バチカン市国・システィーナ礼拝堂観光ツアー2】
バチカンのシスティーナ礼拝堂の入口はツアーで入るのと個人で入るのとでは入口が違い、ツアーで入る方が待ち時間が少なくて済むのですが、それでも2時間くらい待つ事もあるそうです。
ツアーというのは時間が木間ていますから、ここでの待ち時間が長いと、中での見学時間は減ってしまいます。
ガイドさんの言葉通り、ジプシーの集団を避けて、システィーナ礼拝堂に入るために、長い行列を並び、ようやく、中に入る事が出来ましたが、まず、入り口で荷物検査が有りました。
そして、荷物検査を無事に通過すると、中に入れるわけですが、
「バチカン市国」は、一つの独立国家ではあるものの、パスポートを提示する必要は、特にありませんでした。
さて、このツアーの順番ですが、
順路は、まずは中庭(ピーニャの中庭)を見学し、そこから、バチカン博物館へと入り、バチカン博物館を経て、システィーナ礼拝堂へ至る、という経路になっていました。
その後に、サンピエトロ大聖堂にの見学では、今回のツアーではあまり時間がなく外観などをみて終わりになってしまいましたが、この後2日も自由行動でサンピエトロ大聖堂に行きゆっくりと見てきましたので、それはまた、後ほどお伝えしたいと思います。
先ずは中庭(ピーニャの中庭)は、とても落ち着いた雰囲気で、
流石は、カトリックの総本山の、バチカン市国の中だなあという感想を持ちました。
ピーニャとは松ぼっくりの事、ここにはブロンズ製の大きな松ぼっくりがありますが、これはなんと1~2世紀ごろに造られたものだそうで、噴水に使われていたものだったそうです。紀元1~2世紀といえば日本では弥生時代の終わりに近い頃ですから、その頃のローマにはブロンズの噴水があったというのですから、ずいぶん違う生活をしていたのだなあと感心してしまいました。
その後は、バチカン博物館の中に入るわけですが、
沢山の彫刻が飾ってある部屋を通った後、
このツアーの、大きな目玉の一つである、
<ラファエロの間>へと入って行きました。
その部屋は、ルネサンスの立役者の一人である、
ラファエロが描いた作品が飾られている場所で、かの有名な、『アテネの学堂』という作品が、そこには有りました。
『アテネの学堂』は、美術史上に残る、超有名な作品なので、見た事が有るという方も、多いかとは思いますが、
アリストテレスやプラトンといった、
50人ほどの古代の哲学者達が集まっているという様子を描いた、
ラファエロによる大作です。
この絵には、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、そしてラファエロ自身も描かれていますが、レオナルド・ダ・ヴィンチはプラトン、ミケランジェロは、ヘラクレイトスとして、描かれているそうです。
中央の通路を歩いてくる二人のがレオナルド・ダ・ヴィンチがモデルのプラトン(左)と弟子のアリストテレスで、プラトン手前で台に肘をついて座っているのがヘラクレイトス、右端から2人目のこちらをのぞき込んでいるのがラファエロだそうです。
間近で、目の当たりにした『アテネの学堂』は、色使いが、とても鮮やかで、凄く爽やかな絵だな、という印象が有りました。
こんな、超有名な作品を、間近で見る事が出来る、というのも、海外旅行の魅力の一つでしょう。
そして、<ラファエロの間>を出ると、いよいよ、ミケランジェロの渾身の大作である、『最後の審判』という天井画が描かれている、システィーナ礼拝堂へと、入って行きました。
『最後の審判』は、ルネサンスの巨匠にして、世界の美術史上に、その名を残す、ミケランジェロが、1508年、時のローマ法王・ユリウス2世の命により、制作に取り掛かり、4年の歳月をかけて、完成させたそうです。
まさに、ミケランジェロが、全身全霊をかけて描き上げたという、渾身の超大作ですが、
この天井画を描くために、ハシゴに登って、ずっと、上を見ながら描いていたため、ミケランジェロは、すっかり首がおかしくなってしまった、という話が残っています。
ミケランジェロは、絵画でも彫刻でも、抜群の才能を発揮した、大天才ですが、『最後の審判』の制作の過程では、色々と注文をつけられて、頭に来た彼は、ユリウス2世に似せた人物を、わざと、『最後の審判』の中で、地獄に落ちるような人物として描き、憂さ晴らしをしたりしていたのだとか。
そのように、『最後の審判』にまつわるエピソードを、ガイドさんから、色々と聞きましたが、一人の人間が、これだけの物を完成させたという、その事実に、私は深い感動を覚えました。
ちなみに、システィーナ礼拝堂の中は、沢山の人達で、ごった返していますので、ここでも、スリに注意が必要です。
こうして、システィーナ礼拝堂の観光ツアーは、『最後の審判』の部屋で、終了となりました。
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